葉状腫瘍について

葉状腫瘍の治療等について、主にアメリカで公開されたリポートを紹介しています。togetter → [葉状腫瘍 境界悪性]治療と予後について:主にアメリカの文献から https://togetter.com/li/1338691

葉状腫瘍(嚢胞肉腫)の治療と管理

葉状腫瘍のマージンについて(専門医向けに)言及されているリポートです。 2018.10.10.Medscapeにて公開。 Medscapeとは医療専門のネットワークWebMD社が運営する医学情報サイトです。

原文はこちら↓

Phyllodes Tumor (Cystosarcoma Phyllodes) Treatment & Management: Tumor Excision and Mastectomy, Complications, Long-Term Monitoring

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腫瘍切除と乳房切除術

正確な組織学的検査と継続的な追跡治療を伴う完全切除は、葉状腫瘍を治療するための最良の方法です。一般外科専門医に相談して下さい。ほとんどの場合、正常な組織の縁を含めて広範囲の局所切除が必要です。 マージンサイズに関する絶対的な規則は確立されていません。 しかし、小さい(5cm未満)腫瘍では2cmのマージン、大きい(5cm超)腫瘍では5cmのマージンが提唱されています。

フランス産科婦人科大学(CNGOF)の良性乳房腫瘍に関するガイドラインでは、グレード1(良性)の葉状腫瘍については明確なマージンでの外科的切除とグレード2(境界型)の葉状腫瘍については10 mmのマージンでの切除が推奨されました。線維腺腫の場合のように病変を「外に出す」べきではなく、そうでないと再発率が許容できないほど高くなります。 腫瘍対乳房の比率が、部分切除によって満足のいく美容的結果を妨げるのが十分に高い場合、再建の有無にかかわらず、乳房全摘出術が代替法となります。根治的処置は一般的に保証されていません。 腋窩リンパ節郭清は臨床的に疑わしい結節に対してのみ行う必要があります。しかしながら、これらほとんどの結節は反応性であり、悪性細胞を含みません。 (補足:リンパ節転移は稀であり、なんらかの反応が結節にある場合など、必ずしも重大な問題があるというわけではない、ということだと思います)

葉状腫瘍の治療における補助化学療法または放射線療法の効果は証明されていません。再発および転移に対する化学療法および放射線療法への反応は乏しく、ホルモン操作療法による成功は報告されていません。

合併症

乳房腫瘍の外科治療は、ほとんどの乳房の外科手術と同様に、以下のような合併症を起こす可能性があります。 ◾︎感染

◾︎血清腫形成

◾︎局所または遠隔再発

長期モニタリング

葉状腫瘍の追跡治療に関する具体的なガイドラインはこれらの病変の希少性のために限られていますが、起こり得る局所的再発を検出するために定期的な長期追跡治療を実施する必要があります。 初期合併症を検出するための手術の1〜2週間後の初回診察の後に、患者の外科医によって決定された定期的な診察が続けられる必要があります。合理的なスケジュールは6ヵ月ごとの身体検査と少なくとも5年間の毎年のマンモグラフィです。 再発の可能性について患者を注意深く観察しましょう。

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〜まとめ〜

◾︎再発を防ぐため、マージンはしっかり

※このリポートでは化学療法と同じく補助放射線療法も有効である証明はない、と報告されています。